逢坂小学校4年生の総合的な学習支援 実施記録(PDF資料)
◇支援学習:逢坂小学校4年生の総合的な学習「吾妻川の秘密を探ろう」を支援
◇支援の目的:
- ○「逢坂学区を流れる吾妻川」の水生生物の観察などを通して、子どもたちが川に親しみ、地域の自然環境に関心を持ってくれることを目的とする。
- ○水生昆虫の特性を学び、生きものは自分にあった環境で生きることを感じさせる。
◇実施日時 :平成26年6月27日(金) 9:15~11:30
◇集合場所 :逢坂小学校玄関前(校庭内に駐車可)
◇観察場所 :吾妻川中流・幻案寺前の区域
◇参加者:
- フォーラム・・・住田、中西、畑、本多、丸山
- 児童・・・・・・4年生 2クラス
- 先生・・・・・・3名
◇概要:
○最初、校内グランドに集まり、児童と挨拶・自己紹介をし、その後児童たちとともに、学校から15分くらい歩いて観察場所に到着した。
○フォーラムから
- 川の生きものについて
- 川の中には多くの「生きもの」が生活していること。
- その中で、水生昆虫が多いこと。水生昆虫とは、一生の一部の期間(多くは幼虫の期間)水の中で生活している昆虫のことで、カゲロウ、カワゲラ、ヘビトンボ、トビケラなどがいること。
- 「生きもの」は自分たちに適した場所で生活していること。
- 「生きもの」の観察・採集の仕方等について話した。
○曇り気味の天気であったので、川に入っての観察には適した日であった。
気温 28.0℃、 水温 19.0℃
児童たちは、楽しみながら熱心に観察した。
ただ、雨が少ない天候がつづいているためか、川の水量が少ない状態であった。
○スケジュール
9:30 児童とともに徒歩で学校を出発
9:45 児童が観察場所(幻案寺前)に到着
9:50~10:10 フォーラムから説明
- 川の生きものについて
- 水生生物の採集のしかた、
- 観察する時の注意
10:10~11:10 川に入り水生生物の観察。採集
11:10~11:20 フォーラムから説明(まとめ)
11:30 帰校
○児童たちが捕集した「生きもの」について、できる限りその場で「種類」を説明した。
観察された「生きもの」(種類分けは、肉眼観察による推定)
水生昆虫
- カゲロウ類:フタスジモンカゲロウ、タニガワカゲロウのなかま、マダラカゲロウのなかま、コカゲロウのなかま
- カワゲラ類:フサオナシカワゲラ属
- トンボ(ヤゴ)類:サナエトンボのなかま
- アメンボ類:アメンボ(成虫)、シマアメンボ(成虫)
- ヘビトンボ類:ヘビトンボ、ヤマトクロスジヘビトンボ
- トビケラ類:ヒロアタマナガレトビケラ、シマトビケラのなかま、ニンギョウトビケラ(筒巣と幼虫)
- ゲンゴロウ、ガムシ類:シマゲンゴロウ、ガムシのなかま(成虫と幼虫)
- ハエ、カ類:ガガンボのなかま
水生動物
- サワガニ、ミズムシ
- ミミズ、ナミウズムシ
今回の観察では、「ガガンボのなかま」が多く観察されたことが特徴的であった。
また、流れる水の水量が少なかったためか、魚類が全く観察されなかった。
水生生物を観察している途中で3人の児童から川の中で花を咲かせている植物の名前を教えてほしいと呼ばれた。「植物グル-プ」の児童であるとのこと。
その場所に行ってみると、下の花が咲いていた。 「オオカワヂシャ」であると話した。
オオカワヂシャの近くにヒメジョオン、ムラサキカタバミの花も咲いていたので名前を教えるとともに、ヒメジョオンとハルジオンの違い(種類分けのための特徴)についても説明した。
最後に、フォーラムが簡単な「まとめ」を行い、次のことを話した。
- 川に入って観察すると、川の中には多くの「生きもの」が生活していることがわかった。
- 今回観察された「生きもの」の種類については、この場で1つ1つ説明はしないが、1週間以内には私たちが観察の記録を作成し、撮影した「生きもの」の写真を記載して先生にお渡しするので、その記録を参考にして今日観察した「生きもの」を思い出してほしい。
- 川の中で、「生きもの」は自分に適した環境(場所)で生活している。
- したがって、観察された「生きもの(指標生物)」から、観察した場所の環境(水のきれいさ等)が分かる。
- 今回の観察では、「きれいな水」に生息する指標生物であるモンカゲロウのなかま、ヒラタカゲロウのなかま、カワゲラ、ヘビトンボ、ヒロアタマナガレトビケラ、ガガンボのなかま、サワガニが多く観察された。 このことから、吾妻川の中流は「きれいな水」が流れていることが分かる。
- また、今回の観察で、吾妻川には「きれいな水」が流れ、多くの種類の水生生物が生息していることが分かったので、これからも吾妻川を汚さないよう・きれいな環境を保つよう心がけてほしい。