R6年2月11日(日)、おおつ市民環境塾2023講座11「湖沼の水環境を考える」を開催しました。
講師は、山室 真澄 氏(東京大学大学院新領域創成科学研究科教授)。つくばからオンラインでご講演いただきました。
1950年代半ばまでは水草(沈水植物)は農家に肥料として利用されてきました。除草剤を水田で使用するようになり水草が激減しましたが、同時に化学肥料を使用することになったので、水草が消えたことは問題視されませんでした。水草の激減により、中海では植物プランクトンが増加し二枚貝は増加しましたがエビ、カニ、一部の魚等は減りました。
また、宍道湖では、1993年を境にウナギとワカサギの漁獲量が激減しました。これは様々な状況証拠からネオニコチノイド系殺虫剤がウナギやワカサギのエサを減らしたことが原因でしょう。
琵琶湖では水草の大量繁茂が問題になっていますが、除草剤があまり流れ込んでいないからとも言えるかもしれません。有機汚濁負荷や湖底の酸欠など課題が多々ありますが、琵琶湖の豊かな生態系や身近な環境を守るために、何が環境を守ることになるかを含め自ら考え観察するなどし、できることから行動していこうと思わせる講座でした。