令和2年9月26日(土)、おおつ市民環境塾2020講座4「琵琶湖の全層循環と湖底の酸素」を開催しました。
新型コロナウィルス感染症防止のため、講座では会場のソーシャルディスタンスを確保、会場参加とオンライン参加で実施しました。
講師は、岡本髙弘氏(滋賀県琵琶湖環境科学研究センター 主任専門員)。
今日のお話は、琵琶湖の水質、琵琶湖の全層循環(琵琶湖の深呼吸)の仕組み、全層循環未完了が招く問題とは何かの順になされました。
約40年前から調査されてきた琵琶湖の水質は汚濁流入負荷量も減少し、透明度も良くなってきていました。しかし、この数年、特異的な値をしめすことが多くなっているそうです。
また、この2年間、琵琶湖の全層循環は調査開始以来初めて未完了となりました。
さて、「琵琶湖で全層循環しなかったところはどのあたりでしょうか?」というクイズが出されました。
南湖や北湖の浅い部分は全層循環したそうなのですが、北湖の一番深いあたり、今津沖第一湖盆と呼ばれるところが全層循環しなかったそうです。琵琶湖の約1/20位だそうです。
深湖底の水温は年間を通じて7~8℃、冬になると表層の水温が下がって酸素を含んだ水が湖底に届き、酸素量が回復していました。ところが暖冬で表層の水温が下がりきらないと酸素を含んだ水が湖底に届かず、溶存酸素濃度が低下します。
生きもの(イサザやヨコエビ)への影響、リンやアンモニア、重金属が溶出することもあるかもしれません。
琵琶湖の豊かな生態系を守るためにどうしたら良いのでしょうか。これからの大きな課題です。